タイトルに反して、読書記録をつけるというプレッシャーが読書の妨げになっているおっさんですが、アウトプットとしてのブログを細々ながら続けてはいきたいと思っている次第です。
歴代007映画の中で一番気に入っている作品である「007 カジノ・ロワイヤル」。
それの原作だし、おまけに帯なのか本体カバーなのかわからんぐらい大きな宝塚版の帯がついていて、大喜びで読みました。
今回の悪役、ル・シッフルがフランス語で「数字」という意味だと初めて知ったおっさん。映画の数字に強く、ポーカーを運任せとは思わず確率でしか見ない、ダークサイドの金融運用業者ル・シッフルもいいけど、バカラにあっさり運で負けて、暴力に訴える本の中のル・シッフルもいいなと思いました。
しかし、ソ連系の組織からの資金をフランスの売春組織の経営権の購入に回して、その資金に穴を開けたというル・シッフルの設定がおかしすぎてたまりません。
巻末の解説によると著者のイアン・フレミングは俗物根性にあふれたスリラーを意図して書いており、上級な(こ難しい、難解な)作品を目指していなかったとのこと。
それを映像化した007映画としては、やはり近年のダニエル・クレイグのシリーズは異色というべきものなのかな?と思い直してしまいました。
なので「女王陛下の007」の毛色を007映画は引き継がなかったのかな。
まあ、おっさんが映画の「007 カジノ・ロワイヤル」にめちゃ惹かれるのは、ヴェスパー・リンド役のエヴァ・グリーンに魂を抜かれちゃった面が大きいので、やっぱりルッキズムに侵されまくっている自分を反省しました。
イアン・フレミングの意図したように007をとりまくスリルに、次々とページをめくり速いペースで読み終えた「007/カジノ・ロワイヤル」。小説版の007は初めての経験だったのですが、とても楽しい読書体験になりました。