先日の「十二人の怒れる男」に続いて、今回も5年前に購入して1回だけ見た「サウンド・オブ・ミュージック」を、三谷幸喜の出ているYouTubu動画に刺激されて、視聴しました。
動画の中で「サウンド・オブ・ミュージック」のことを伏線の効いた動画として紹介していたので、「そうやったかなあ?」と思いながら見直してみたわけです。
まあおっさんは三谷幸喜の述べている「リプライズ」という技法も知らなかったわけなんですけれども。
そうして見てみると、3時間近い映画なんですけど、冒頭の30分ぐらいの間に、子どもたちがのちのちに「クックー」というおやすみの歌を歌う回廊とか、パーティーで使われるダンスルームとか、マリアが服を縫えることとか、執事と配達員のロルフがドイツとの併合について会話で触れているとか、重要なことはほとんど出てきてるんですよね。
おっさんが初めて「サウンド・オブ・ミュージック」を見たときには、長女のリーズルと配達員のロルフが温室?で「You are 16, going on 17」って歌い始めたぐらいから、「なんか素敵な映画やな」と思い始めていて、そこまではあんまり乗り気じゃなかったので、やっぱりちゃんと冒頭から、きちんと見とかんとあかんな、と反省しました。
この温室?は、マリアが修道院から帰ってきたあとでは、大佐とマリアが愛を確かめあう場所になるし、そういう意味でも2組のカップルが愛を語り合う場所として描かれている。なんか場所にもダブルニーミング的な使われ方がしているとわかって、「はあ、うまいなあ」と感心しました。
最初見たときに感激した「You are 16, going on 17」という歌も、リーズルがロルフの気持ちが離れていっているのではないかと不安な気持ちを新たに母となったマリアに相談したときには、今度はリーズルを励ますための歌として使われる。そして結果としてリーズルの恋のはじめと終わりで歌われる歌になっているわけです。
三谷幸喜が「漠然といい映画と思うのと、技巧に気がつくのではぜんぜん違う」と言ってたみたいに、「ああ、漠然と見てるわ」と指摘されてから見直して愕然としました。
おっさんが「サウンド・オブ・ミュージック」を初めて見たのは高校1年生になる春休みのテレビ放送です。あのときはsixteenのリーズルがお姉さんだったのに、いまではsixtyが見えてきました。
中学3年生のときに「百合子ちゃん、あの映画、サウンド・オブ・ミュージックを見たことある?」と授業中に尋ねた先生も、尋ねられた生徒も元気にしてはるかな?このやりとりを聞いていなかったら、おっさんはこの「サウンド・オブ・ミュージック」を見てない可能性もあるからなあ。