今回も岩波ジュニア新書の予定と伝えた通り「〈読む〉という冒険」を読み終えました。
イギリス児童文学書の時代別の簡単な紹介が羅列的に乗っている読書案内的なものかなと思っていたのですが、少し違い7冊の児童文学を紹介して、「ここで一番作者の言いたかったことはなにか?」、「この登場人物のこのときの気持ちを答えよ」といったテスト勉強的な読み方とは違う、視点を変えた読書を勧める本でした。
ただ字面を追っているだけの情けないプチ読書家のおっさんには痛い指摘でした。
7冊の児童文学、一冊としておっさんは読んだことがないというのが、また痛い。
「ロビンソン・クルーソー」に影響を受けた作品として挙げられている「蠅の王」は読もうと思いながら読んでいないので、ぜひ読もうと思いました。
反対に「不思議の国のアリス」の話の中で紹介されている「社会学入門」。
たしか精神保健福祉士の勉強の一環で読んでおり、読書記録も書いているのに、本書でとりあげられている部分を全く覚えておらず、汗顔の至り。
ジュニア、子ども向けの本と思ってい侮ってはいけないのは、前回の「16テーマで知る 鎌倉武士の生活」と同様です。
P.87
もちろん、あらゆる社会問題の解決のためには、一人一人の優しさや思いやりが必要です。けれども、個人の善意にはおのずから限度があり、社会制度や構造の変化がなければ、本当に多くの人びとが幸せに暮らせるようにはならない、とも考えられます。
著者は「とも考えられます」と保留をつけてるけど、まったくその通りやろ。
「自助」「自助」「共助」「共助」ゆうてる政治家、お前らちょっとは人の心とか、自分らの果たすべき役割とかもう一回、思ったり考えたりしてみろ、とおっさんは強く言いたい。
P.153
『プーさん』が性的多様性を反映したり、あるべきジェンダーの形を提示したりしていないからと言って、読むべきではないというのは、確かに少し極端かもしれません。ただし、そういう観点がありうること、そういう読みかたも可能であること、そのうえで、それにどのように答えるか、などについては充分意識しておく必要があります。
この文を読んで、先日の首相秘書官の更迭の記事を振り返ると、いよいよもってこの国の権力中枢のこまやかでない神経のつかいっぷり。別の言い方でいうと無神経っぷりが明らかではないかなと思います。
首相秘書官は更迭されたけど、これが本当は首相の本音やろと疑ってしまうのはきっとおっさんだけではないと思います。
次は児童文学を読む予定。
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