たぶん、今年からという今後は以前よりも読書記録を書けるような気がします。
それというのも、おっさんが一番好きだった入所者さんが近頃亡くなったから。
おっさん、その人のことが大好きで、返事などはしてくれないのですが、読んだ本から得たことの断片や印象的だった部分などを語っていたのですが、聞いてくれる人がいなくなってしまいました。
だから書くしかないんですよね。
なんちゅうか○○さん、ありがとう。
○○さんがいなくなって、俺ほんまは仕事辞めたいんよな。
先日の食欲不振もたぶんこの事による心因的なものではないかと思っているのです。
それはさておき。
昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」。
テレビのないおっさんは一回として見なかったわけですが、戦国、維新でない大河ドラマが放映されるのは実によろこばしく感じました。
そんな流れに沿って購入した本書「16テーマで知る 鎌倉武士の生活」。
これいいぞ。
子ども向けのジュニア新書と侮るなかれ。
同じ内容のものがもう少し硬い表現で鎌倉時代を紹介した展覧会の図録とかになると2,000円以上すると思うから968円で買える本書はお買い得であるとさえいえます。
食生活、服装、武装、合戦、武芸、人生、教養、娯楽とテーマごとに解説されているのですが、白黒ながら図もあり非常に充実しているなあと感じます。
例えば、鎧の種類で大鎧、腹巻、胴丸の違いがわかりますか?
朝廷での正式な服装、束帯の一部である袍(ほう)が文官と武官で違うのを知っていますか?
こういう文化的なことを知っていると、ドラマを見ていても面白かっただろうなあ、と思わせられます。
おっさんがめちゃ面白いと思った部分を二つ抜き出すと
P.81
(源)為朝は身長のわりに長い弓を用いており、また西国育ちで乗馬にも十分に熟達していなかったため、(大庭)景義のとっさの動きに十分対応できなかったのです。
源為朝、通称鎮西八郎為朝の剛弓はなかば神格化されている気がするので、彼の弓術とか武芸について否定的な物言いを初めて見たような気がします。
P.91
現在の流鏑馬(やぶさめ)は、室町時代に衰退した後、江戸幕府の八代将軍徳川吉宗が復興させたもので、鎌倉武士が行っていた流鏑馬そのままではないと考えられています。
こんなんかって、鶴岡八幡宮で実施されているからてっきり古式そのままでやっているとおもってしまいがち(もしかしたらテレビニュースのナレーションや字幕などでも、そう紹介されているかも)ですが、そうではないと事実を知ることは重要だと思います。
あと和歌山在住者としては流鏑馬の正統な故実、作法の嫡流として藤原秀郷流があり、その子孫である西行(俗名:佐藤義清(のりきよ))が源頼朝から聞き取りを受けているというのは面白かったです。
P.191からの「鎌倉幕府の滅亡」という部分では簡潔に鎌倉幕府滅亡の理由が説明されています。この部分を理解して、もっと詳しい本を読むと、全体としての流れがより理解しやすいように思います。
実は、次に読んでいる本も岩波ジュニア新書の一冊です。
早めに紹介できるといいなあ。
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