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尊氏は、一生を戦場で過ごした将軍と評価される。だが、実際には、このときの出陣(※観応元(1350)年10月)は建武二年(1335)以来実に15年ぶりのことであった。
後世からみると、南北朝の動乱が3代将軍の足利義満の時代まで長く続いたので、ずっと尊氏が第一線で戦っていたような印象を受けるものの、この観応の擾乱以前に、すでに北朝の圧倒的な優勢は確立していたのだということだろう。
結果を知っていると、その結果から当然のように思ってしまうことがたくさんあるので、その辺をきちんと吟味して考えないといけないな。
観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書 2443)
- 作者: 亀田俊和
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
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