P.197
結局正平の一統は、南朝が一方的に破棄したのであり、幕府には基本的に非はない。北朝の一時消滅が幕府にとって大きな禍根を残したのは確かであるが、義詮すべてに責任を押しつける考えは再検討の余地があると思うのである。
なんとなく、南北朝正閏論の南朝が正、判官贔屓的に南朝を応援するような心境を持ったりしますが、こういう従来の意見を丸呑みしない態度は非常に重要だろうなと思います。
他にも、おっさんには目新しい記述がありまして、例えば、
P.34
山名氏は新田氏の庶流であるが、新田氏も足利一門であったとする見解が最近提起されており、それに従えば山名氏も足利一門の武士である。
同じ源氏の庶流でありながら、鎌倉幕府の権力にくいこんでいた足利氏、幕府から冷遇されていた新田氏といった印象が崩れていってしまい、どういうこと?ともっと知りたくなりますね。
観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書)
- 作者: 亀田俊和
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (1件) を見る