読書記録で書こうと思っていたのですが、なかなか書けないので読了記録。
両方とも読み終えてからかなり経つのと、内容を簡潔にまとめるのが苦手なので、ここで短く紹介するのは無理ですね。
「北朝の天皇」は題名だけ見ると南北朝期の北朝(持明院統)のことだけを扱っているように感じますが、応仁文明の乱あたりまでの室町将軍と持明院統の天皇家との関係を描いています。
「室町の王権」で示された「王権簒奪計画」は、本書の中でもかなり否定的に扱われていますが、それ以外でも室町時代って面白いと、いつも思います。
あまり武張っているイメージがないので人気がないのは、中国の宋王朝と重なる気がしますが、文化面で重要な役割を果たしているというのも宋王朝と同じであるような気がします。
「明治六年政変」は、「戦後レジームの解体」とか言われましたが、明治以来の近代国家としての日本の権力がどういう風に成り立ち、どう流れてきたのかを知りたいなと思い、「明治十四年の政変」と一緒に購入。
司馬遼太郎は「昭和」はダメで「明治」はいい、みたいな書き方でしたが、「明治六年政変」を読む限りでは、とてもそうは言えない。
要は明治と昭和はつながっていて明治は同じやり方のいい面が現れていたけれども、やり方を変えていないので、行き詰まった昭和は悪い面が現れていたという方が近いように思います。
いまの日本も、同じように古臭い「日本号」を定刻運行することにこだわっている斜陽の大鉄道会社なのかもしれないですね。