「新九郎、奔る!」の14巻を購入したところ、「逃げ上手の若君」という漫画がおすすめに表示されました。歴史を題材にした漫画であることは知っていたのですが、1巻が割引になっていたので購入して読んだところ、主人公は「北条時行」でした。
おっさん、知識は浅いですが南北朝時代は大好きなので、現在電子書籍で買える12巻まで購入してしまいました。
2年ほど前に読んだ「中先代の乱」も引っ張り出してきて、漫画の内容を確認?してみました。
まず「逃げ上手の若君」の中では兄の邦時が庶出、時行が正嫡とされているんですが、「中先代の乱」では
P.37
高時の側室には、高時の嫡子で時行の兄邦時を生んだ常磐前(ときわのまえ)」がいる。
となっていて、邦時が嫡子になっているんですよね。
北条貞時、高時、邦時と「◯時」になっていて、鎌倉将軍守邦親王の「邦」の字を偏諱として受けている邦時の方がやはり嫡子とされていたんじゃないでしょうかね?
「中先代の乱」のP.38では邦時が将軍の御所で元服していることも併せて嫡子であることの証拠とされています。
もうひとつ、うん?と思ったのは、「逃げ上手の若君」の中で
この時代の日本には「人でありながら神」「現人神」として大勢の信仰を集める人間が大きく三人存在した
一人は京の天皇
一人は出雲大社の当主
そして諏訪大社の当主
とされているんですけど、これはなにか根拠みたいなものがあるんだろうか?
諏訪氏と同じように地方豪族が神官の職を代々世襲している例を黒田俊雄氏の「寺社勢力」のP.150から引いてみると
出雲の杵築社(出雲大社)における出雲国造家、肥後の阿蘇社における阿蘇大宮司家、筑前の宗像社の大宮司で宗像郡大領の宗像氏、越前の気比社大宮司の気比氏、尾張の熱田社大宮司の熱田氏、信濃の諏訪社の大祝神(みわ)氏などがある
と列挙されていて、諏訪氏だけが別格という感じでもないんだけどな。
まあでも面白いです、「逃げ上手の若君」。
「新九郎、奔る!」の方も1巻だけ思ったことを書いているので、続刊も同じように書いていきたいと思いつつ、そのままになっている。
古本市に向けて発表のレジュメも作りたいんだけど、うまく作れてないんだよな。うまくまとまらねえ。おっさんに根気と知力がもうちょっとあったらなあ。