実は前回の「曾国藩」よりも前に読み終えています。
というかしばらくさかのぼって、この読書記録を書いていきたい。
いな、書いていかねばなりません(使命感)。
なぜ読もうと思ったかと言いますと、おっさんは本は好きで子どもの頃から読んでいるのですが、音楽とか絵画とかは育った環境も、おっさんの興味もそちらには向いていない感じだったので知らないままに大人になりました。
でも、それは非常につまらんなあと思いました。
というか本好きな人はそういう趣味を持っている人が多い気がするのですが、ただひたすらに自分の好きな分野の本ばかり読んできたおっさんは、その話についていけないのが寂しくなりました。
音楽なんか自分の好きな物を聴けばいいのでしょうが、どんな音楽が好きかもわからないありさま。
そんなわけで音楽の一分野だけでも、時系列的な知識が入ったら、そこからたどっていきやすいのかなという訳で読んでみました。
中で展開されている音楽論などは音楽に疎いおっさんが簡単にまとめられるものではないので省略しますが、
「昔は良かった」「世界に誇るべき日本固有の文化だ」など、長きにわたって自己肯定感の欠損に倦む「ニッポン」が自らの過去を美化する欲望と重ね合わせるように、シティポップの遺産を引きずり出そうとしているように思えることもある。
はじめに P.5~6より
なんて広い視野で音楽・文化を語っており、得るところが多い読書でありました。
ただ、上の文章を引用したのは、おっさん自身が読んでいるうちに「ニッポンすごいやん」という気持ちに囚われそうになったから。確かに一時期、日本はいろんな分野でトップランナーで「あった」。
おっさんは「日本すごい」という気持ちになることは、ほとんどなく、反対にそういう人たちを鼻で笑うようなタイプの人間なのですが、それでも若い頃の輝いていた(?)日々を思い出して、ちょっと「ニッポンすごいやん」となりかけました。
おっさんは自分の中のそういった一面を発見できただけでも、読む価値があったなと思います。
今度は、本書内で触れられていた「ユーミンの罪」を読んでみたいなと思いました。