「まなさんと一緒」の日々

一緒に暮らしている、猫のまなさんとの日常を記していきたいと思います。

読了「ノモンハンの夏」

夏の間に読もうと思っていたのですが、もうすっかり秋の気配。

 

 

付箋も貼ったりして、いろいろと書きたいこともあるのですがうまく言葉にならず。

 

 

読んでいるときからなんだか錯覚しそうだったことについて書きます。

 

時の総理大臣、平沼騏一郎

 

「とても今日のような状態では政治はとれない。この独ソ不可侵条約の成立によって、日本外交はほとんど捨身を喰ったような状態である。」

(P.405)

 

なんて心情を吐露して退陣し、日独伊三国軍事同盟の推進者、陸軍のノモンハンでの大敗があって、何も知らなければ、「この日本という国は、三国同盟とやらには加わらず、別の道を模索したんだろうな」と思ってしまいそうになるぐらいな途中までの筆致なのですが、実際にはそうはならなかったことを、当然おっさんは知っています。

 

 

読んでいる途中はかなりの違和感があったのですが、著者の半藤利一氏からすれば、ノモンハンでの大敗、このときに成らなかった日独伊三国軍事同盟を踏まえて、別の道を選択するという可能性、選択肢は十分にあり得たと言外に読み取ってほしかったのかなあと。

 

 

実際、このあとアメリカとの戦争に突入するまでは2年間の時間があります。その時間に日本は方向を転換できなかった。その先の戦争に対して充分な勝算がなかったにも関わらず。

 

 

しかし、今の日本人は当時の日本人より賢明だと言いきれるのでしょうか?