前回の 「きのう何食べた?」に引き続き、プライムビデオから落ちてしまうらしいので、ウォッチリストに入れていた「小さいおうち」を慌てて見ることに。
見て、太平洋戦争につながっていく昭和10年代を黒に押しつぶされた暗い時代と断定しないで、日中戦争(支那事変)はありながらも、豊かな都市文化を育んでいた都市東京を描いていて、いい映画だなと思いました。
反対にタキの大甥にあたる「たけし」は、そんなタキの自叙伝に「ウソがある」と主張するさまは、とてもコミカルです。
おっさんがいま一つ納得できなかったのは、松たか子演じる「時子」が、それほど容姿に優れるわけでもない「板倉」にのめりこんでいく心理が理解できなかったところですね。
映画の中でもとても異性からも同性からも好かれた「時子」ならもっと心情的にもしっくりくる相手がいくらでも現れたのではないかと考えたりするのです。
しかし、恋愛なんて、はたの他人からみれば「なぜ?」と思うことばかりのような気がするので、それでいいのかもしれないですけれどもね。
戦争という大きな流れの中で、人は流されながらも決して自分の欲望や感情を忘れることはない、むしろ大きな抑圧がある分、かえって欲望や感情は強くなるのかもしれないなと感じさせられました。
きっと「いま」だってそうなのかもしれないですね。