P.26
私のこれまでの臨床経験では、覚せい剤依存症患者の再使用は刑務所出所直後が最も多い傾向があります。他の薬物やアルコール依存症でもそうです。患者が薬物を再使用したり、再飲酒したりするのが最も多いのは、精神科病院を退院した直後なのです。つまり、どこかに閉じ込めて物理的に依存性薬物と切り離しても、いつかはそこから解放されます。あの、自由を奪われた後の解放感こそが、薬物依存症患者の薬物欲求をもっとも刺激するものなのです。
以前、購入した「薬物依存症」をいまさら読書開始。
何度かちらちらブログに書いているおっさんの施設の近畿大会での発表、アルコール依存症の既往歴のある入所者さんについて発表する予定なので、なにか引用できるような文言がないだろうかと、悪あがきの読書。
以前、おっさんの働く施設を退所した入所者さん(アルコール依存症の既往歴あり)が退所してまもなく、再飲酒したことがあり、上記の引用部分にかなり納得させられるものがありました。
施設の職員の中には「もう飲まないと言ってたのに!」「裏切られた」と憤慨する人がいましたが、おっさんは「依存症は病気なのでしかたがない。禁酒の意志の問題ではない」と、その席で擁護することができなかったので、今回の発表で施設の職員の方にも伝えられたらと思っています。
その方の一人暮らしについても、施設の退所後のケアができていれば、少し結果は違ったのではないかとおっさんは残念に思っていますし、それは生活指導の主任も同じように思っている様子。
おっさんも精神保健福祉士を取得したものの、その後は全然勉強できていないので、他の職員の方々と一緒にレベルアップしていきたいものです。