前作「私を愛したスパイ」のラストでは次回作として予告されていたのは、「ユア・アイズ・オンリー」だったのに、「ムーンレイカー」になったのは次のような事情があるそうな。
折からの爆発的なスター・ウォーズ(1977年公開)ブームや、スペースシャトルの初飛行(1981年4月12日)が迫る中、ついにボンドが宇宙へ飛び出す内容に脚色された本作が、先に映画化されるに到った。
ムーンレイカー(デジタルリマスター・バージョン) [DVD]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2012/11/23
- メディア: DVD
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この作品、冒頭のスカイダイブのシーンはすごいのですが、他はいまいちな感じ。そもそも悪役のドラックスはすごい金持ちで、自費でスペースシャトルを何隻も建造し、宇宙ステーションまで建造しているぐらいなんだから、別にイギリスへ輸送中のスペースシャトルを強奪しなくても、新しい物をもう一隻作ればいいじゃないかと思う。
強奪なんて目立つことをすれば、計画そのものが危機に瀕することをなぜ計算に入れないのかとそこがまず疑問。
スペースシャトルについて考えれば、別の飛行機に載せて運搬中のスペースシャトルになぜ燃料が充填されているのかという大きな疑問が。
その分だけ重くなるのだから絶対に運搬中は燃料が入っていないのが普通だと思うんですよね。それを言ってしまうと物語が成り立たないかもしれないですが、なんだかなあと思うわけです。
ついでに書いてしまうと、人類にだけ効き目がある毒ガスというのも正直ピンと来ない。人に効き目がある毒ガスは、どんなに少なく見積もってもやっぱりサル類には影響があるだろうと思うのです。欧米人はやっぱり猿と人間はぜんぜん違うと考えたいんだろうか?というか、そういう思考の癖なのかな。
ケチをつけまくってしまいますが、宇宙ステーションもレーダーに映らないようにレーダー妨害装置が使用されていると説明がありましたが、あれだけ巨大な建造物なら、地上から望遠鏡による肉眼の観察で見えてしまうと思うんですよね。もうそこが決定的にバカ臭いな感じてしまい、もうよれよれな感じです。
まあ、意欲作といえば意欲作なんでしょうけれども。