「まなさんと一緒」の日々

一緒に暮らしている、猫のまなさんとの日常を記していきたいと思います。

「スターリン」の読書メモ、感想

もう返却してしまったのですが、「スターリン」の感想を。

 

読書メモをつけながら読んでいたのですが、読書スピードが返却期限に間に合わず、前半部分しかメモがない上に、メモが一枚ない。

また挟んだまま返却しちまったのだろうか?

 

 

 

スターリン - 「非道の独裁者」の実像 (中公新書)

スターリン - 「非道の独裁者」の実像 (中公新書)

 

 

 

ボリシェヴィキメンシェヴィキの違いについて

ボリシェヴィキは、「意識の高い党員が中央集権的な組織を作って革命を目指」すと考えていたのに対してメンシェヴィキはそれでは「一般民衆から遊離し、もっぱら大衆を指導することばかり考えるエリート集団を生み出す危険性」があると考えていたために、ロシア社会民主労働党の党員資格規定を巡って対立し、分裂したとのこと。

 

またメンシェヴィキは封建主義段階→資本主義段階→社会主義と「ヨーロッパ諸国がたどった歴史の過程をロシアも繰り返す」と考えていたのに対して、ボリシェヴィキは資本主義段階を経ずに社会主義国家になることができると考える点で相違があったとのこと。

 

 

世界史の授業ではボリシェヴィキメンシェヴィキという言葉は覚えたけれど、なにが違って分裂したのかまでは覚えていなかったので、わかりやすく違いがつかめてよかった。メンシェヴィキの人たちの持った危惧は、その後の歴史で正しかったことが証明されたようですね。

 

 

レーニンからスターリンへの権力の移行については、「1922年秋までにレーニンはスターリンに対して批判的な姿勢をとるようになっていた」という部分も、全く知らなかったので意外だった。その上、この批判にレーニンが勝利した可能性は意外なほど少ないと著者は見ておられる。

 

党の中で民族と党務を主に担当し、「革命を為すために作られた党を、権力を担う組織へと切り替え」たのはスターリンであったためだ。

 

 

おっさんが昔読んだ本の中では、スターリン共産党の中では二流の幹部で権力闘争により勝ち残っただけで、ろくな政治実績はなかったと記されていたような記憶があるので、スターリンが党の組織をしっかりと掌握して、レーニンの生前からレーニンと闘争もできるような権力を有していたと記されていたのはちょっと衝撃的だった。

 

 

読書の記憶では、トロツキーの世界革命論がレーニンが目指していた革命の正当な後継で、一国社会主義論はできそこないのような取り扱いであったような記憶もある。

 

 

その本はソヴィエト成立後の飢饉や、ネップについても解説していたしいい加減な本ではなかったと思うのだが、やっぱり時代的な制約というか限界があったということだろうか。

 

 

もうちょっと書きたかったのですが、メモが一枚なくて内容が飛んでいるのでここまでに。この本は買って読み直したいと思っています。

 

 

スターリンが第二次大戦後の冷戦を当初から企図していたのではなく、体制の違いはあれど戦争を一緒に戦ってきた友情から、あのような厳しい冷戦を予想していなかったというあたりも面白かったので、再読したらしっかりした読書メモをあげたいなと思います。