先日購入して、とりあげられている音楽をYouTubeで聞こうかなと書いた「革命と戦争のクラシック音楽史」。
最初に固有名があがり紹介されているのは、チャイコフスキーの「大序曲”一八一二年”」という曲です。
上記リンクのWikipediaにも書かれているように、この曲は1812年のナポレオンによるロシア戦役をテーマとしたチャイコフスキーの管弦楽曲です。
「革命と戦争のクラシック音楽史」の中では、
P.15
(略)あたかも映画のサウンドトラック盤の如く、曲を聴くだけで戦争の様子が臨場感をもって伝わってきます。
そこで重要なのは規則正しいリズムですね。行進や突撃の身体運動を聴く者にただちに想起させる音楽の表現です。戦闘的なテンポとリズムを通じて、音と動作の無限連想の循環が生じるのです。
と紹介されており、下に貼っているYouTubeの演奏のコメント欄でも、「ナポレオンのフランス軍を退けたロシア人民の歓喜の姿や声が目に浮かび、耳に聞こえるようだ」なんて書かれています。
ちなみに貼りつけたYouTube動画の演奏はベルリン・フィルで指揮は小澤征爾です。水準以下の演奏なわけはないと思うのですが、ナポレオン率いるフランス国民軍を退けたロシア人民の歓喜の声がおっさんの耳には聞こえません。
ええ、まったく聞こえませんとも。
やっぱりおっさんの感受性が低いのかな。
他の演奏だとロシア人民の歓喜の声が聞こえるかもしれないと思い、Wikipediaに記載されている「音楽・音声外部リンク」欄の他の演奏も聴いてみたのですが、勇ましく鳴り響いていた「ラ・マルセイエーズ」の旋律が、ロシア的なメロディの中に埋没していくなといった感想が精一杯で、
音と動作の無限連想の循環
も起こりませんでした。やっぱりおっさんの感受性の問題ですね。
ちなみに、Wikipediaの「音楽・音声外部リンク」から聴ける「大序曲”一八一二年”」は、演奏がコロンビアのボゴタであったり、オランダであったり、韓国であったり、香港であったりするので、極東の島国のおっさんがイメージするナポレオン戦争のロシア戦役と、この人たちがイメージするそれとは、どんなふうに違うのだろうか、なんて想像しながら聴くと、なかなかおもしろいです。
結局、「大序曲”一八一二年”」を六演奏分聴いたから、75分ぐらいこの曲ばかり聴いていたことになるのか。しかし、やはり愛するロシア人民の歓喜の声は聞こえませんでした。
いつか聞こえますように。