「まなさんと一緒」の日々

一緒に暮らしている、猫のまなさんとの日常を記していきたいと思います。

「お金」の原理を説明できない

 以前、定額給付金の10万円を要らんと言った入所者の仮名BRIさん。

 

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結局のところ10万円はもらったのですが、近頃また様子がおかしいことに気づいていました。

 

 

おっさん気づかないふりをして放置していたのですが、夜勤明けの今日、声をかけてくれやという様子で、おっさんの前に姿を見せたのでBRIさんに声をかけてみました。

 

 

 BRIさん、発語もいまいちで聞き取れない部分が多いのですが、

 

① もらった10万円のうち2万円が「誰か」に盗られている

② 10万円のうちに贋金が含まれていないか心配

 

という2点が直接おっさんに声をかけようと思った原因のよう。

 

 

②の「贋金」って誰が吹きこんだものか全くわからず。

誰やねん要らんことを吹きこんだのは。

「いまは銀行の機械が良くできているので、贋金はすぐバレるんですよ」とか言ってみたところ、いちおう?は納得された様子。

 

 

問題は①。

前回のブログで

 

屋根のある家の中に住めて、お金を払わなくても食事が出てきて、大量ではないけどお菓子も食べられて、コーヒーも飲める。その生活のお金はどこから出てきていると、思ってこの人は生活しているんだろうな?

 

と書いた通り、やっぱり施設での生活がご自身は負担していないものの生活保護のお金でまかなわれていることを理解しておられない様子で、通帳から引かれているお金は、「食費や施設で寝るのにいるお金(施設利用料)です」と説明したところ、「それなら事前に説明してくれないと困る」と憮然とした表情。

 

 

「ここ(施設)に来るまでに買い物したことないですか?」と尋ねると「ない」との返答。「まじか!」とおっさん、脳みそが真っ白になりました。おっさんの持っている薄っぺらい常識なんか一瞬で突き崩されるのですね。

 

 

いや、しかし以前いたはずの病院には確か売店があるはず、と思い、その話をしたところ「紙を持っていったら物をくれた」とお札のことを単なる紙切れ(原理的には正しいのですが)だと思っておる様子。

 

 

BRIさんにとってはお札は引換券以上の意味を持たないんですね(これも正しいといえば正しい)。

 

 

しっかしおかしいな。

では「贋金」という概念はどこから出てきたんだろう?BRIさんがいう「贋金」というのは硬貨の「贋金」なんだろうか。

 

 

それはさておき。

「日本では、みな等しく平等にお金を持っていないと物と交換できないです」

「お金というのは、どんな物とでも交換できるんです」

みたいなことをBRIさんに伝えていたところ、社会の基礎にあることを言葉にして説明するのは実に難しいなと実感。

 

 

そう考えると幼き日のおっさんが、公園の前の駄菓子屋で、自分で駄菓子を買っていたのは立派な社会勉強だなと感じたりします。

 

 

また、お金があれば、門地とか地位とかにとらわれず欲しい物が買えるわけでお金に保障された平等、資本主義とはすばらしいものだなとか、BRIさんと話しながら、脳みその端っこで考えてみたりして。

 

 

夜勤明けの眠いなか、1時間程度BRIさんとお互いにディスコミュニケイトな時間を過ごしたわけですが、おっさんとしてはいろいろ考えさせられて勉強になりました。