「まなさんと一緒」の日々

一緒に暮らしている、猫のまなさんとの日常を記していきたいと思います。

「ビザンツ帝国」を読み終えるーーー読書量を増やすための読書記録40

ビザンツ帝国-千年の興亡と皇帝たち (中公新書)

ビザンツ帝国-千年の興亡と皇帝たち (中公新書)

  • 作者:中谷 功治
  • 発売日: 2020/06/22
  • メディア: 新書
 

 

「読み終える」と書いたのですが、「読み終えてだいぶ経つ」という方が正しいので、感想を忘れてしまいました。

 

 

一番印象に残っているのは、皮肉にも本文ではなく、書内のコラム。

P.97

ひるがえって、私たちはどれくらい将来を想像できるだろうか。憲法のある国民主権や民主主義は戦後七五年の歴史を有しており、それに疑問を呈する国民は相当にかぎられるように見える。ではあるのだが、数世紀というような長期的なスパンではどうだろう。どこかの国のような独裁政の方が、人権尊重の度合いはともかく、社会の経済発展やシステム全体の維持・管理にはよりふさわしくないか。地球温暖化に対処するのに、民主主義という迂遠な手続きで大丈夫なのか。民主政治に対する失望や閉塞感がデモクラシーを危機に陥れることはないのか。実は安穏としていられる時間はかぎられているのかもしれない。 

 

 

文章から察するに、この著者の先生はかなり民主主義に疑問を感じておられるので、この文をコラムという形でねじこんでいらっしゃったのでしょうね。

 

 

要は、経済が発展するなら、人権など尊重されなくても良い。

地球温暖化にかこつけて、迂遠な民主主義よりも決断の早い独裁政で社会システムを管理・維持しようぜと言いたいのでしょうかね?

 

 

そもそも、「数世紀というような長期的なスパン」で、人間が政体を選択できるものでしょうかね?例えば、1820年江戸時代末期の日本人に「これからは民主主義だぜ!」と政体を選択することが可能なのでしょうか?

 

 

もうこれって神の視点で、できっこないですよね。

歴史学者なんかやめて考古学者か地質学者、もしくは神学者にでもなられればいいのに、それなら数世紀のスパンで物事を見ることも可能ですからね。

 

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