幻のソ連戦艦建造計画―大型戦闘艦への試行錯誤のアプローチ (光人社NF文庫)
- 作者: 瀬名堯彦
- 出版社/メーカー: 潮書房光人新社
- 発売日: 2017/06/01
- メディア: 文庫
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P.143
一九四三年九月、イタリアが連合軍に降伏すると、ソ連政府は連合軍の管理下にあるその艦艇の三分の一を分配するように要求してきた。(略)英米両政府は協議して、そのかわりに両国海軍の艦艇をソ連に貸与することで承認させた。この結果、イギリス海軍は戦艦ロイヤル・サブリンと潜水艦四隻(略)がソ連海軍に引き渡されることになった。
おっさんは全然いわゆるミリオタではないので、ロイヤル・サブリン級なんて聞いたことがないぞと思ったのですが、きのう購入した「英国軍艦勇者列伝」でも「地味~な戦艦」「地味~な戦歴」としてロイヤル・ソヴァレン級(「英国軍艦勇者列伝」ではそう本級を読んでいます)として2章があてられていて、その2章だけ難波の喫茶店で読みふけりました。
ただ、本来は8隻が予定されていたロイヤル・サブリン級のうち7番艦、8番艦の建造予算と名前が巡洋戦艦のレナウン級に回されているのは初めて知りました。
レナウン級、特にレパルスはマレー沖海戦で日本海軍機が撃沈したので馴染みのある人も多いんじゃないでしょうか。
ロイヤル・サブリンは、1949年にソ連からイギリスに返還されるのですが、
P.150
イギリス海軍では、船団護衛ていどにしか使えぬ低速の二流戦艦であったが、ソ連海軍では、レーダー完備の十五インチ巨砲をそなえた貴重な戦艦として重んじられ、手放しがたかったようである。
と記述されていて、船本体には感情がないのですが、「使えぬ二流戦艦」と思われるぐらいならソ連で尊重される方が幸せだったのでは?と思ってしまいます。
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